

3.1 紙文書ファイリングと電子ファイリング
ファイリングとは、「文書を整理して利用し易いように保管する」ことであり、紙文書として保管する場合や電子化文書・電子文書として保管する場合においても、効果的なファイリング・システムの構築により、以下のようなメリットを得ることができる。
- 文書検索時間の短縮
大量の文書の中から必要な文書をスピーディに探すことができる。 - 保管スペースの削減
保管期間を過ぎた文書や重複保管している文書を廃棄し、スペースを削減することができる。 -
情報の共有化
文書をファイリングすることにより、情報の共有化を図ることができる。 - 文書管理ルールの標準化
文書のファイリングに際し、文書の分類基準,保管期間・廃棄基準,アクセス権限等、管理ルールを明確にすることにより業務の標準化を図ることができる。
3.1.1 紙文書のファイリング
文書を紙で保管する場合、文書管理台帳として“インデックス情報と保管場所”を台帳管理する。この文書管理台帳は検索容易性の面から電子化する場合が多い。
一般的な文書管理台帳は以下のような項目をもつ。
- 文書分類
- 文書名
- 文書保管ロケーション
- 文書キャビネット名
- 文書フォルダ名
- 作成者(部門)
- 作成日
- 保管期間
- 保管期間満了日
- 保管期間満了時の措置
- 管理担当部門
- 備考
紙文書のファイリングにおけるキャビネット名やフォルダ名の設定方法など、大分類、中分類、小分類の考え方は、電子ファイリング・システムにおける文書イメージ保管でも、引き継がれており、文書情報を検索性、効率性から考えた分類方法をとる電子ファイリング・システムも多くある。
3.1.2 電子ファイリング・システム
電子化文書および電子文書をサーバに登録し、インデックス情報をデータベースで管理する。電子ファイリング・システムの導入により、更に以下のようなメリットを得ることができる。
- ネットワークにより、遠隔地でも即座に文書を検索できる。
- アクセス権限の設定とログ情報により、セキュアな環境を構築できる。
- 紙文書の廃棄により保管スペースを大幅に削減できる(e文書法等への適切な対応は必要)。
- 廃棄基準に従い、システムで自動的な廃棄処理を行うことができる。
なお、紙文書と電子化文書、電子文書が混在する場合は原票ファイリングと電子ファイリング機能をあわせ持つファイリング・システムを構築することとなる。
前へ一覧へ次へ